[塾生]西本匡吾
[米国独立リーグABA]アメリカバスケの独立リーグで「東日本復興チャリティ」
NBAは2月から「ハードウッド・クラシックス」というイベントを開催している。
これは創設45周年を迎えたABAを記念して行われており、かつてフランチャイズ地域に存在した9チームが複数の試合でABA時代のチームのユニフォームを着用する。マイアミ・ヒート、サンアントニオ・スパーズ、ニュージャージー・ネッツといったチームが参加しており、3月上旬まで続く予定である。レトロな雰囲気を醸し出し、お世辞にも万人受けするデザインではないが、当時のユニフォームを着用するのは歴史を重んじているからに違いない。
ABAはアメリカバスケットボールにおける独立リーグである。現在のNBAとの関係は、日本の野球におけるNPB(日本プロ野球機構)と四国アイルランドリーグといったところだ。
そのABAに日本からは「静岡ジムラッツ」というチームが参戦している。
アメリカのリーグに日本人が主体となって挑むこと自体が異例であるが、彼らの戦いは今シーズンで2年目を迎える。日本人選手は4名がエントリーする一方で、高さを補うべく獲得する外国人選手は現地で調達する。また、スタッフが帯同しているわけでもなく、食事や移動といった環境面でも、自分たちで調節を行っている。
そんなハングリーな精神で、日々の厳しい戦いを送っているチームの代表兼選手、岡田卓也氏から先日リリースが届いた。
内容は「年明けからの試合」と「ABAのチャリティ」についてである。本稿ではその内容を元に静岡ジムラッツの近況を報告したい。(※2月2日までの記録)
ABAの日程は11月に開幕して、翌年の3月に終了する。今シーズンは16試合を終えて不戦勝という形で1勝しているものの、実質はまだ勝ち星をもぎ取っていない。年明けの試合結果を見ると、112-120、104-117といった惜しい試合がある一方で、大差で負けてしまう場合もある。
「確実なレベルアップを感じられているとはいえ、勝てるゲームを落としてしまったり、出端をくじかれながら立て直したものの、最後まで追いつくことができなかったりと、思うようにゲーム運びができずにおります。それは自分も含めガード陣のゲームの組み立てが甘かったりターンノーバーなどミスを連発してしまうことで、自ら首をしめてしまうこと、そして岩佐選手を始め、各人それぞれが決めてこなければならないシュートを決めきれない、といったことなどが敗因です。そんな中でも合間合間で各自の課題設定をし、細かく反省を行っていくことで、昨年と比べても1ゲーム1ゲームの進歩が著しく表れていると思います」
手応えは掴めているものの、あと一歩……という試合が続いているようだ。ABAは3月のシーズンが終了するため、残り試合も後わずか。
シーズンが終わりに近づけば、その分疲労も溜まるが、「LA、テキサス、コロラド、オクラホマなどへの移動をはさみ、スケジューリングや少人数という点でもかなりタイトで選手達の負担はあると思いますが、意識高くなんとかやっていってくれています」と代表の岡田はチームのメンタルを評価している。
一方で、昨シーズンに実施することができなかった、日本人学校でのクリニックを開催したという。オフの期間は全国でクリニックを行っている彼らだが、シーズン中でもその姿勢が変わることはない。
「現地の子供達に、よりバスケットの面白さを伝えることができたのではないかと思います」
また、静岡ジムラッツだけではなく、ABA全体でも特筆すべき点がある。
それは、シーズン中に「東日本復興チャリティ」として、各チームが活動を行っていることだ。財政状況の厳しいチームが多いものの”自分達にできることは何か”という考えから、募金協力のアナウンスやホームページで告知するだけなく、数多くのバスケットボールを贈呈したチームもあるとのこと。
「毎度毎度本当に胸が熱くなります。元々自分達にできることで何か力になれないか、という想いから今回の取り組みが生まれた訳ですが、そんな活動を通して微力ながらも被災者のお力になれたり、励みになれることを目標に、これからも継続して参ります」
福島県相馬市では、練習を行える体育館が限られており、部活動を共有で行っている学校もある。静岡ジムラッツは昨年10月に続き、シーズン後の3月に同場所でクリニックを行う。
そして、その時にはもちろん、「ABAでの勝利」を持って帰国してくれるに違いない。
静岡ジムラッツの試合結果等の詳細は、公式ホームページから随時更新されている。レポートやフォトギャラリー、少しずつであるが動画配信も織り交ぜており、ABAという現場の雰囲気を感じ取れる。
NBAや国内リーグだけではない。海の向こうにいる挑戦者の軌跡を見るのも、また一つの楽しみになるはずだ。
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[塾生]西本匡吾- kyougo_nishimoto
- 1987年9月生まれ。金子塾入塾後は「とにかく現場に出ること」を意識し、スポーツの種類にとらわれず取材を行っている。将来はバスケットボールについて執筆し、日本バスケの発展に貢献したいと考えている。
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