サッカーキング

  • 2012年2月8日

[プレミアム特集]アントニオ・ディ・ナターレ――小さな街の偉大な王

[ワールドサッカーキング 2012.02.16(No.207)掲載]
アントニオ・ディ・ナターレは34歳にしてまさにキャリアのピークを迎えている。セリエCでのプレーも経験した苦労人は、夢のような現実をどう見ているのか。幸福の地、ウディネに君臨する偉大な”王様”が、饒舌に語る。


インタビュー・文=マッシモ・メロイ 翻訳=小川光生

 ファンからは“ウディネの王様”と呼ばれ、この地方都市で最も愛されるサッカー選手の一人だ。例えば、ウディネの人々は街でアントニオ・ディ・ナターレに出会うと、気さくにこう呼び掛ける。「トト! 元気かい?」と。

 現在34歳のディ・ナターレ。彼はこのイタリア北西部のプロヴィンチャ(地方クラブ)に最良の居場所を見いだした。ミランでもユヴェントスでもナポリでもなく、ウディネーゼという小さな現実の中で、彼はストライカーとしての偉大な記録を次々と創出している。 2009-10シーズン、10-11シーズンと2年連続でセリエA得点王に輝いた「トト」。今シーズンも第19節終了時で14得点とゴールランキングのトップに立っている。もし今シーズンもタイトルを手にすれば、グンナー・ノルダール(ミラン)、ミシェル・プラティニ(ユヴェントス)が成し遂げた3年連続得点王というリーグ記録に並ぶことになる。

 そして現在、イタリア代表への復帰、ユーロ2012本大会出場の話が現実味を帯びてきた。30歳を過ぎて“ゴール製造機”に変貌した遅咲きのストライカーは、どこまで進化し続けるのだろうか。

こうしてサッカーをできること自体が幸福だと感じる。



君にとって最も大切な仕事は何?

ディ・ナターレ 一言で言えば、点を取ることさ。ここ3シーズンは順調にゴールを積み上げることができている。もっとも、これは俺だけの功績じゃない。俺をゴールに専念させてくれるチーム全体の功績だよ。次の目標は、セリエA通算150ゴール(1月27日現在の記録は144ゴール)を達成すること。そうすれば、チームにいい結果をもたらせるはずだからね。

君自身、どんなタイプのストライカーだと思っている?

ディ・ナターレ 小柄ですばしっこくて、相手にとっては厄介なタイプじゃないかな。いつもオフサイドラインのギリギリにいて、最終ラインの背後へ一気に抜け出すプレーを最も得意としている。それが俺のやり方さ。

試合中に喜びを感じる時は? やはりゴールを決めた瞬間かな?

ディ・ナターレ そもそも、こうしてサッカーができること自体が幸福だと感じる。だから、プレー中はいつも幸せだよ。ドリブルで相手を抜き去った時も、チームメートにいいアシストができた時もね。ただ、今の俺はストライカーだし、最高の瞬間はやはりゴールを決めた時になる。さっきも話したけど、FWが点を取るってことは、チーム全体のタスクを結果に結びつけるということでもある。そういう意味でも、ゴールは俺たちFWにとって最高の戦利品だし、自分の存在価値を示す手段でもあるんだ。

君の決定力は30歳を過ぎてから飛躍的にアップした。これには何か秘密があるのかな?

ディ・ナターレ 特別な秘密なんかないけど、強いて挙げるなら健全な生活を送ることだね。あれこれ悩まないことも大切かもしれないな(笑)。あとは、高いプロ意識を持ってトレーニングに励むことだね。ここ数年、いいコンディションを維持できているのは、フィジカルコーチのパオロ・アルティコのおかげでもある。パオロにはこの場を借りて感謝の気持ちを表したい。それから、クラブオーナーのポッツォ・ファミリーにもお礼を言わないとね。彼らは本当に信頼してくれていて、まるで家族の一員のように接してくれるんだ。

<続きは ワールドサッカーキング 2012.02.16(No.207)でお楽しみください>

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